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煩悩無残



もういっしょに寝るのはいやです、

と老妻が言い出したので

「ほならやめとこか」と軽く受け、

二階と下で べつべつに寝ることにした

それから何年かたった

おれはずいぶん修養をつんだつもりであるが

この世の名残りに

せめてもう一ぺんだけ、という気が起った

しかし、おれはこれでも精神派だから

だれとでもいいという訳にはいかない

思案にあまって ある晩、

下の部屋へ降りていったところ

老妻の寝床には 白髪の山姥(やまんば)が

頭だけ出して眠りこけていたので

おれは諦めて そっと引き返した。

野長瀬正夫詩集を読み直す - mmpoloの日記 (via kazukij)
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