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 A級戦犯4人の発言を聞くと、彼らの中で戦争の被害がなかったことになっている。終戦からインタビューを受けるまでの間に、原爆投下や東京大空襲、各地の空襲など国民が知らなかった被害状況が明るみに出た。東京裁判では、連合国軍の行為が不問にされるなど評価は分かれるが、満州事変が謀略だったことなど旧日本軍による侵略の実相も分かった。4人は、そうした事実をごまかすどころか、あたかもなかったかのように完全に目をそらし、発言していることが印象に残った。

 詭弁(きべん)と欺瞞(ぎまん)と言っていいと思う。

 その欺瞞には、自己欺瞞も含まれる。1945年の日本軍の負け方は、ぎりぎりで負けたという状況ではないことは軍人であれば分かっているはず。「日本は負けてない」というのは単なる言い回しにすぎない。

 2011年3月の東京電力福島第1原発の事故後、政府も東電も「健康に直ちに影響はない」など他人も自分も欺く話法を使ってきた。そうして危機から目をそらし、さらに危機を増幅させてきた。

 東京大学東洋文化研究所の安富歩教授は「東大話法」という表現を用いて、この点を突いている。A級戦犯4人の発言は、「東大話法」にそのまま当てはまると感じた。

 番組が放送された1956年の流行語の一つは、政府の経済白書に記載された「もはや戦後ではない」という言葉だった。A級戦犯だけでなく、政府も戦争の総括をしていないことが分かる。

 昭和の時代に入ると、陸軍の中で明らかな作戦ミスをした人がその後、出世するということが起き始める。戦前からの軍のそういう無責任な体制が、戦後も続いているのではないか。問題を直視しないのはエリートの特徴と言いたいところだが、原発事故後の社会状況を見る限り、残念ながら、今の日本全体に広がってしまっている。

A級戦犯 ラジオ番組で語る 57年前の音源発見 「敗戦 我々の責任でない」 (via g0nsuke)
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